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事業計画書の作り方

急ぎの契約書レビューをやっていた月末近くに、あるクライアントから電話がかかってきて、フランチャイズ募集のプレゼンマテリアルを作って欲しいという。プレゼンマテリアルは、広告代理店にいた時から頻繁に作っていたし、クライアントから頼まれてAppleの本社にプレゼンするマテリアルを作ったこともあるし、以前会社の共同代表をやっていたこともあるので、クライアント開拓や補助金獲得のためにマテリアル作るのは実は慣れている。

コロナ前には、クライアントから事業再構築補助金のための資料を作って欲しいと言われたこともあるが、その時は目の前の仕事があまりに忙しすぎて、とても1ヶ月以内にマテリアルを作る気力・体力がなく、また、期限通りにあげられなかったり、よくないものを作って申請が不許可になるのも耐えられないのでやむなくお断りをした。そのクライアントはその後中小企業診断士に高額支払って作業をお願いし、無事に補助金をゲットしたと聞いた。

私の仕事は2020年からコロナの影響を受けてたものの、今年秋から仕事が回復しつつあり、10案件以上が同時進行している状態だった。でもたまには契約書、許認可、会社設立関連以外の仕事もしたくなり、10日以内に作成という無茶なスケジュールではあったがお引き受けすることにした。参考になるかどうかわからないけれど、私がマテリアルを作るときに使った手段を書いてみたいと思う。

1. リサーチ

マテリアル作る時にまず最初に行くのは図書館。クライアントが所属する業界のことを知るにも、マテリアルに使うデータを作成するためにも、本は必要。今回はデータを一切もらえなかったので、サービスのポジショニングを知るためにも、マテリアルに入れるデータをどれにするかを極めるためにも、図書館でリサーチをする以外選択肢なし。

A. 東京都立中央図書館

家から20メートルくらいのところに区の図書館があるのだが、地元の図書館はリサーチに向いた図書はあまりない。私がいつも最初に行くのは、広尾にある都立中央図書館。ここのビジネスコーナーには白書やデータ関係がいっぱいあるので、この書架の前に立って、片っ端から該当しそうな本に当たるのが常だった。が、現在中央図書館は来年の2月まで館内工事中でビジネスコーナーに入ることができず、読みたい本のタイトルを入れて請求しないと読むことができない。不便すぎる・・なので、今回は国会図書館に行くことにした。国会図書館で最低限必要なデータをゲットしてから来館予約をして行ってみたものの、利用できる場所が限られているため、ものすごい人でごった返していて、コロナに感染しそうな混雑状態だったので、本が読めるスペースを受付の方にお願いして確保してもらい、あらかじめ調べておいた資料を請求、1冊だけ使える本があったのでコピーして逃げるように退館した。

なお、一時的なサービスか、工事が終わっても恒久的なサービスとして残るのか知らないが、中央図書館にはレファレンスサービスというものがあって、こういうデータを探している、と問い合わせをすると、どういう白書やデータを調べたらいいかを詳細教えてくれる。私も事前にメールで問い合わせをしたのだが、回答もらえたのはそれから1週間後、既にマテリアルは完成した後だったので今回のリサーチには使えなかった。かなり詳細に教えてくれたので使わないのが勿体なかった。ある程度時間に余裕のある人はこのサービス、利用する価値があると思う。レファレンスサービスや事前の閲覧予約のサービスを利用するには、登録利用者の申し込みが必要。

この図書館、閲覧のみで貸してくれない(だからこそ、行けば蔵書が確実に読める)が、コピーはコンビニ同様1枚十円と良心的な値段。コピーはセルフサービスだし、何台もコピー機があるので、人がやってくれるのを待つ必要がなくて便利。

B. 国立国会図書館

国立国会図書館法で、国内で発行されたすべての出版物を国立国会図書館に納入することが義務づけられているため、国会図書館には日本で発売された本が存在している。外国で発売された書物もかなり充実していて、昔法学部の卒業論文で「ニューディール時代のデュープロセス二重の基準」というとんでもないテーマを選んだ時(アメリカでニューディール政策が実施された1920-30年代の書物が必要だった)も、国会図書館(と早稲田の中央図書館)にかなりお世話になった。蔵書全て閲覧コピーできる訳ではないが、少なくとも日本で発売された本は、ここで調べれば必ず出てくるはず。事務所から徒歩で行ける距離にあるのもありがたい。国会図書館では本のデジタルでのアーカイブ化が非常に進んでいるし、こちらもリサーチの手がかりになるような本の情報をリサーチナビその他でデータベース提供している。

図書の検索やコピーには、事前に利用者登録の手続きをし、図書館に行った時に、本人確認の書類を見せて本登録をして利用カードをもらう必要がある。コロナ対策か土曜日の午後来館は事前に予約が必要になるが、午前中早めに行けば予約なしで入館が可能。私はあらかじめ必要図書の検索をしてある程度目処を立てて一階の「科学技術・経済情報室」にいき、片っ端から関係ありそうな図書を読んで、必要なものを抜粋、コピーしてもらった。なお、コピーはセルフでなく、いくつかの手続きを経てリクエスト、コピーが出来上がるのを待つ。コピーは一枚25円。普通には販売されてないリサーチ本や、高額すぎて買えないような本のコピーをさせてもらえるのだから多少高くてもありがたいと我慢、我慢。

2. ストーリーを箇条書きにする

関連業界の本を読んである程度の知識を得て、業界関連のデータをコピーしたら、その状態で、マテリアルのストーリーを決める。ストーリーはワードで箇条書きにしてクライアントにチェックをお願いする。この時点でチェックお願いしても、全然イメージ湧かないのは理解しているが、後でイメージと違うと言われないために、一応流れだけは承認してもらう必要があるので。

Flat lay of business concept

3. テンプレートを決めて、ストーリー通りにタイトルをつける

今回はPower Pointを使用。Power Pointの中からクライアントのホームページのイメージに近い雛形を選んで、タイトルだけまずふっていく。

4. 必要なデータをエクセルで作成、写真その他も探して、貼り付け

タイトルを入れたら、そこに文章を入れ、書物から引用したデータその他をはめていく。図書館でコピーしたデータは、そのままでは使えないので、エクセルに数値を入れて、それをグラフ化、それをPower Pointに挿入。なお、物によってはエクセルデータをベタ張りでも良いが、エクセルの線もそのまま見えてしまうし、デザインで入れた図面がずれてしまうので、要注意。時間節約と、第三者の視点も欲しかったので、ここは後輩の行政書士にお願いして、グラフ化の部分と、私がベタ張りしたシートを綺麗にしてもらった。

5. 全体のバランスをみて、差し引きして完成

必要な文章やデータを挿入したら、あとはレイアウトをチェックして、その合間にFree PhotoやFree Irrustrationを入れていく。そういういらないものを入れることを誤魔かしと呼び、必要最低限なものだけマテリアルに入れればいい、むしろワードで必要なものを書けばよい、という人もいると思うけど、私は、プレゼンは飽きないように途中である程度の遊びも入れた方がいいという考えだし、マテリアルとしていいものを作りたいので、この過程が大好きなのだ。マテリアルをなるべ綺麗に、見て楽しいものにしたいので、プレゼンと極力関係のある写真とか誰かの名台詞なんかを借りてきて入れることにしている。

プレゼンマテリアルは全17ページ。休日祭日3日をフルに使って無事に完成。休日潰して作成したので、息抜きというには苦しすぎだったけど、いつもと違う仕事の依頼だったのでそこは依頼してくれて感謝している。

事業計画書、融資その他の目的で使用するプレゼンテーション用マテリアル作成のご依頼承ります。お問合せは、こちらまで。

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