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石橋法務行政書士事務所
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調停制度

12月3日(土)に、公益財団法人日本調停協会連合会主催の調停制度100周年・協会連合会設立70周年の記念パネルディスカッションに行ってきた。きっかけは、11月に新橋公証役場で、クライアントの定款認証が出来上がるのを席に座って待っていたら、ちょうどその席の横に、この行事のフライヤーが置いてあったから。会場のイイノホールは事務所から歩いて10分以内だし、どうせ休日も仕事で事務所にいるだろうから(予想通り、事務所に来てたし)ちょっと顔出してみよう、というのと、これから弁護士にもなるので、行政書士以外の業務も勉強しておきたい、という気持ちから。

イベントの第一部は模擬調停で、民事事件では「未払賃金等請求調停事件」、家事事件では「遺産分割調停事件」であった。こレは、実際に調停委員をやられている片岡武弁護士がスクリプトを書かれ、文学座の人が申立人、調停委員、裁判官を演じるものであった。多分、実際に調停された経験から書かれたものだと思う。調停委員が法律をよく知らない一般の人から、うまく話を引き出して、最後は解決に持っていく手法はお見事であった。今回は両者にさほどの対立があるケースではなかったが、両方とも事件として一般に起きやすいものであり、こういう事案を弁護士を介さずに解決できるならいいシステムだよなーと見てて思った。事案によって、それぞれの専門家が調停委員になるので、どちらかに偏った裁定がなされることもないし。

イベントの第二部は調停委員をやられている弁護士さん、専門家として調停委員をやられている方々と、司法アクセス支援に関わっているお役人(といえばいいんだろうか)によるパネルディスカッション。みなさん、声を揃えて、こんないいシステムがなぜもっと人々に知られて、利用者が増えないんだろうと嘆いてらした。また、一人の弁護士兼調停委員の方が、「このシステムだと、意外なくらいに解決する」とおっしゃっていたのが印象的であった。

調停は、離婚や養育費などの争いは家事事件で管轄は家庭裁判所、民事事件は簡易裁判所、または裁判官が調停に付す場合には地方裁判所で調停が行われる。離婚は調停前置で裁判の前に調停が必要であるが、民事の場合は、自分で調停か裁判かを選ぶことが必要となる。調停はADRと違って執行力があり、債務名義については成立調書で強制執行が可能である。又、調停は裁判と違って非公開なので、プライバシーも守られる。調停申立費用は、のとおり、10万円の申し立てて500円、100万円でも5,000円である。未払い賃金や一般的な遺産分割などであれば、調停で十分であると思われる。

ではなぜ利用者が増えないんだろうか。これは私の想像だけど、ネットで色々調停について調べていると、弁護士の意見で、「調停で弁護士をつけないと不利になる」という情報が非常に多いことに気が付く。裁判同様、調停も弁護士をつけないとだめ、という神話が蔓延しているように感じたのだ。裁判における判事と違い、調停委員は法曹界の人ではないし、調停するためのテクニックと知識を持って公平に話を聞いて解決に導くのが仕事である。だから、当事者たちが法律に詳しい必要もないし、法律を知らないから不利になったり、馬鹿にされるわけでもないはず。家事裁判で、私の知り合いも離婚調停では弁護士なしで養育費を取れているし。パネルディスカッションで調停をお薦めしていた弁護士さんも一人を除いてある程度お年を召されていて、生活に余裕があるような身分であることはわかるけど、まあ、弁護士の数が増えちゃった今、調停は当事者だけで紛争を解決できるという話が出回り、裁判が減ってしまうことにより、代理人になる機会がなくなると商売上がったりだから、弁護士としては、調停でも代理人になりたいんだろうと想像する。でもそうするとせっかくスキルを持った調停委員がいるのに勿体無い。

調停は良い制度だと思うので、法律問題を解決したい人たちには、私はお薦めしたいと思う。もちろん裁判所に申し立てに行く前にご相談したいという方は、当職までどうぞ。

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