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石橋法務行政書士事務所

鎖国ニッポン- 会社設立、営業所設置、在留申請- 本当に外国人はウェルカムなのか?

日本は本気で外国人が日本で会社を設立し、長く滞在して日本に貢献してもらいたいと思っているのだろうか?と外国人から申請手続きを聞かれるたびに思う。その主な理由は以下である。

外国に住む外国人は自分だけで会社の設立、営業所設置ができない

会社を設立するためには、資本金を代表取締役に就任する予定のものの銀行口座に振込、その振込を証明できるものの提出が必要である。外国人が会社を日本で設立するためには、日本にある銀行に口座があり、その口座に振込をする必要がある。日本の銀行に口座を持つためには、外国人であれば中長期の在留資格を持つことが必要である。よって、外国人が短期滞在の資格で一時的に日本に来日しても、口座は作れず、会社設立後に会社の口座を作ることを待つしかない。口座を持つ知り合いに頼んで、その口座に払い込むことは可能であるが、その知り合いが一時的にその会社の代表となり、会社設立後に株の譲渡および代表の変更を法務局に届出、譲渡契約書の締結などが必要となり、余計な手間と費用がかかる。

では、外国本社で、日本に営業所を設置するというのはどうだろうか?営業所を設置するためには、その日本代表が日本に住所を持っていることが必要である。住所の証明は住民票やマイナンバーカードによるが、これらは中長期の在留資格を持つ外国人のみが証明できる。よって、代表になる予定の外国人が短期滞在で日本に来ても、営業所すら設置することはできない。

プロセスに紙は必須、オンラインも平日のみ営業

会社を設立するためには定款の認証を公証役場にしてもらう必要がある。定款のチェック、電子証明、認証の依頼などはオンラインで可能であるが、公証役場に行って、手数料を現金で支払い、定款のオリジナルデータ(または紙の謄本)をもらう必要がある。その後の法務局への登記は、オンラインで可能であるが、書類は紙で別途法務局に送る必要がある。法務局の登記申請や登記事項証明のチェックができるオンラインシステムは、平日の8:30am-9pmのみアクセス可能。時差が日本と真反対の国にいる場合、その時間に合わせないと申請はできない。オンラインは、24時間アクセス可能なところがメリットだと思うのだが、窓口に持っていけばすぐに受け付けてくれ、登記完成も受け付け時から算定、よって管轄の法務局が近ければオンラインより早くなるわけで、さほどの利便性が感じられない。

プロセスは全て日本語、プロセスチャートはなく、説明も日本語のみ

プロセスは全て日本語で提出の必要があり、英語の書類は翻訳をつけなければならない。日本の官公庁にお勤めの公務員の方達は、私よりも優秀で、英語なんて簡単に理解できると思うのだが。また、このような会社設立や営業所設置について、一目でわかるチャートや簡単な説明をしているものは、法務局関連のホームページには存在しない。JETROが英語で説明をしたサイトを運営しているが、プロセスチャートもなく、わかりやすいと言える代物ではない(が、ないよりはまし)。何より、両者に決定的に欠けているのが、外国人に一番わかりにくいハンコの説明。会社設立、営業所設置には会社のハンコが必須であるが、これがなく、「ハンコってなに?なんでいるの?』から始まり、『どうやって、どこで作るの、いくらかかるの?』といった質問攻めの苦行にあうことになり、あまりに面倒なので聞かれたら作って代金請求、というプロセスに即刻変更となる。

上記のような不便さは、在留申請の手続きも同様である。日本に会社設立、営業所設置したい外国人の次の要望は当然在留申請なので、私は次の責め苦を在留申請で味わう羽目になる。会社設立と在留申請が鶏が先か、卵が先か論になるのは、サイトの別ページに書いたので、ご参照いただきたい。

アメリカで会社設立をしたいと思えば、州のサイトに行って、会社の住所を請け負ってくれるエージェントを決めて、そこに代金を支払い、サイトの必要事項を埋めれば、大した費用もかからず、設立は可能。在留申請も同様で、なにが必要か、どの申請が可能かなどは、チャートに従って埋めていけば可能、という経験を何カ国かのサイトで見ている。外国人のインバウンドを考えるなら、もう少し改善をして、私のような士業が他のところに作業時間をかけられるようにしてくれないかな、というのが切実な願いである。

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