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石橋法務行政書士事務所
在留申請・ビザのあれこれ

在留申請・ビザのあれこれ

以前、アメリカに住んでいた時、アメリカで働くために就労ビザの申請をしました。その時に、申請のツボは、「Immigration Lawyerのカバーレター」であると聞きました。つまり、依頼をした弁護士の名前とカバーレターの内容を見て、審査官が申請者にビザを与えるべきであるかを判断するというのです。

アメリカのImmigration Lawは、連邦法であり制定法です。でも、アメリカは基本的にはCommon Law Country(判例が法律として効力を持つので、後の判例が前の判例を覆せば、法律は変更される)であり、審査官の裁量が効力を持つということも十分あり得るのです。

翻って、日本はCivil Law Countryであり、法律の基本は制定法です。入管の手続きには、出入国管理及び難民認定方その他の法律や規則が適用されます。ただ、日本でもグレーゾーンは存在するし、特に人の人生や人権が絡むので、裁量や人道的措置というものもあります。

このコーナーでは、そんな在留・ビザに関する疑問や不思議をあげていこうと思います。

 

⭐️ 永住許可と高度外国人材

高度外国人材のポイント導入は平成24年で、その時には経営・管理(元投資・経営)のカテゴリーの地位とか投資額ほどずば抜けていなくて、または経営者や役員待遇でなくても、入国してから同様のメリットがあるよ、というような方向けに利用する、という位置付けでした(と、私は理解しています)。この高度外国人材制度は、平成27年に改正され、永住権申請まで10年待たなくても5年になる、というようなメリットが付加されました。さらに平成29年になって、高度人材は在留3年で、かつポイントが80点あれば、在留から1年で永住申請できるという変更が付け加えられています。よって、現在は、経営・管理との比較ではなく、永住と高度人材はどっちが有利なのか、高度人材の在留資格を永住を取るために使う?というような位置付けで使用を考えるように変わったのでは、と感じています。

高度外国人材

高度外国人材のポイントの70点という点数は、学歴が高く、職歴もそこそこあり、年収がかなりあるか、 年収の割にはまだ若い、というような条件が揃った人材なら取得は可能です。高度人材の資格が取れれば、在留期間が5年になり、配偶者の就労が可能となり、一定の条件下、親の帯同(7歳未満の子の養育、または妊娠中の本人又は配偶者の介助)や家事使用人の帯同(世帯年収1,000万円以上その他の条件あり)が認められる。経営・管理では、使用人雇用の要件は同じであるが、親の帯同や配偶者の許可申請なしの就労は認められていないため、親を日本に呼びたい場合や、働きたい配偶者と来日する外国人にとっては、この資格の方が有利であることになります。ただ、この資格で認められた親の帯同は、親の扶養を目的としてはいないため、扶養目的であれば、親自身が特定活動を取得する必要があります。そして、特定活動の取得は簡単ではありません。

・永住許可

一方、永住許可を取得した場合の一番のメリットは、本人の日本での信用アップにより、安定した生活が保証されることでしょう。日本の銀行は、永住許可証がない外国人に対し、収入に関わらず、住居の購入などでローンを組むことを認めることはまずありません(メガバンクではなくても、マニュアルとして例外はないと聞きました)し、よって、ビジネスに関する融資も受けられません。そういったものが、永住許可が取れると認められるし、永住者として、納税を日本で収める方が海外で納税するより有利と考えた場合、永住に変更して納税は可能でしょう 。永住許可は、今までは基本的に10年継続して日本に滞在していることが必須要件となっていたので、こういった優遇をメリットとして感じる場合は、高度人材からの移行は永住への早道としては使えます。永住許可には、親の帯同、配偶者の就労が認められてはいませんが、本人はどんな仕事に従事しても、その内容や年収は問われることはありませんし、在留許可のように更新をする必要もありません(カード自体の更新は必要です)。以前、日本滞在が5年の外国人から、高度人材で在留を更新すれば永住申請ができるかという質問をされ、その頃は、ポイント性が始まったばかりで、永住申請への期間短縮というメリットはありませんでした。今なら3年または1年で申請可能ですが、彼はまだ日本にいらっしゃるのでしょうか・・・?

 

⭐️ 短期滞在

短期滞在から中長期滞在への変更

ビザ免除国(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/tanki/novisa.html)からの入国で、就労や転勤で在留資格の申請中に、「短期滞在で入国したので、 手続きをお願いします」と連絡がくることがあります。企業からの受託の場合、直接連絡がくることはないので、入国後に企業の人事担当から連絡が来て、入国が判明するのです。中には、許可証は降りているものの、領事館に行って、ビザの手続きをしないまま、入国される方もいらっしゃいます。多分、短期滞在から在留資格への変更は簡単だと思っていらして、家族もいるし、業務の都合もあり、待っていられなかったり、領事館に行く時間もなかった、ということでしょう。企業がスポンサーしているので、自分の身分はしっかりしている、だから変更は問題ない、と思っていらっしゃるように感じます。しかしながら、在留許可の申請と、短期滞在で入国時に書いた滞在理由が異なることになりますので、プロセスは、他の変更申請と同じになります。つまり、プロセスが新たに加わることになります。手続きは、在留許可が降りるのを待って、新たに変更申請書を作り直し、申請に必要とされる書類を揃え、「変更に関する理由」をちゃんと書く必要があります。許可証がある場合は、それを添付、許可がまだ降りていない場合は、その許可を待って手続きをすることになります。短期滞在は三ヶ月ですので、その間に在留許可が下りないこともあり、その場合は、帰国を余儀なくされることになります。

入国は慎重に、入国前のご相談をお薦めいたします。

 

⭐️ 上陸拒否

上陸拒否で、日本に入国できない方から受けたご相談について書きます。その方は、外国人の父親と日本人の母の子供として日本で生まれ育ちましたが、国籍は外国籍のままでした。悪い仲間の影響を受けて、大麻に手を出してしまい、逮捕、執行猶予の上、国外に退去した(本人は自主的に海外に出たと言っていましたが、真偽のほどはわかりません。)ものです。その後現在まで30年以上、犯罪を犯すこともなく、日本にも度々入国していたのですが、最近、突然 入国できなくなってしまったとのこと。多分、データベースのコンピューター化で、過去の犯罪歴又は退去事由がデータに現れたため、上陸拒否されたものと思われます。日本に入国ができないので、体の弱ったお母様を本国に呼んで扶養していました。そのお母様も亡くなり、既になくなったお父様のお墓の世話は彼の叔母さまが日本でされていたのですが、そろそろお墓まいりをし、叔母さまや他の親戚にも会いに行きたいということでした。

・入国の可能性

入管法(正確には、「出入国管理及び難民認定法」)第5条の規定に該当する場合、外国人は我が国によって好ましからざるものであるということで、入国拒否されます。同条5項に該当する麻薬、大麻、あへん、覚醒剤又は向精神薬の取締りに関する日本国又は日本国以外の国の法令に違反して刑に処せられたことのある者は、上陸を拒否され、麻薬関連法違反により1年以上の懲役又は禁錮刑に処せられた場合の上陸拒否期間は無期限となっています。

この方の場合、本来なら、出国後は当然に上陸できなかったはずですが、入国カードの過去の犯罪歴のところを、犯罪歴なしとしていたため、入国審査官も気がつかなかったのではないかと思われます。本人としては、執行猶予であったし、昔の罪は既に償ったつもりで、 犯罪なしと、申告していたようです。

・上陸特別許可

前述の入管法の第5条該当者の上陸拒否には例外があり、法務大臣の裁量による上陸特別許可があれば、上陸が可能です。ただ、この特別許可は字義通り特別であって、よほどのことがないと認められません。一般的には、配偶者、扶養の必要がある子供、など近親者が日本にいる場合に、認められるようです。

相談者の場合、既に両親が亡くなっていて、結婚も国外でしているため、日本には親戚しかいないこと、 犯罪歴がないと虚偽の申請をして(本人に自覚はなくても)複数回入国をしていることを考えると特別許可が出る可能性はかなり低い、というお話をしたところ、相談者はチャレンジを諦めました。

覚せい剤や大麻に手を出す、自分の犯罪歴の虚偽申請、本人にどれだけの自覚があったのかに関わらず、その後の行動に決定的な影響を与えてしまうということがわかります。

⭐️ 日本への帰国長期滞在または移住をお考えの方へ

  1. 日本でのステータスを得る

日本とアメリカなど68カ国の間ではビザ免除措置というものがあります。アメリカ入国時に必要なESTAはアメリカ特有のシステムですが、その他の国への観光や知人訪問などが目的の場合の入国は、在留資格許可証やビザがなくても入国時にパスポートを見せればそのまま入国できて、 入国から3ヶ月間、その国に滞在することができます。これは日本では「短期滞在」という在留資格のカテゴリーの一つになります。

短期滞在では病気など余程の緊急の事由がない限り、3ヶ月以上の滞在、延長は認められませんので、期限の3ヶ月経つ前に出国することが必要になります。3ヶ月ごとに出国、入国を繰り返していると、入管で止められ事情説明を求められ、場合によっては入国できないことがあります。

ですから、海外から日本に移住をするためには、日本に住むための資格=短期ではなく中長期以上の在留資格を取得する必要があります。出入国管理及び難民認定法(略して「入管法」と呼んでいます)という法律に従った在留資格は、大きく分けて、外交や芸術活動、就労に関するもの、身分によるもの、の3種類があります。法定代理人や入管での取次ができる資格を持つ行政書士・弁護士などを通して、日本で在留資格申請をします。在留の許可がおり許可証が発行されたら、許可証を日本から郵送してもらい、その許可証とパスポートを持って最寄りの日本大使館・領事館でビザ取得の手続きをします。在留申請は入国管理局、ビザの取得は大使館になりますので、在留資格とビザの所轄は別になります。よって、在留許可証があってもビザがおりるとは限りません。ビザ許可のスタンプやシールがあるパスポートを持って日本に入国すると、該当する在留資格と許可年数が書かれた在留カードが入管から発行されます。

A. 国籍が日本である方、日本のパスポートをお持ちの方

在留資格は必要ありませんので、入国されたら、2へ飛ぶ=住む場所を決めて、その場所を管轄する地区町村の役所で所定の手続きを進めてください。

B. 国籍が日本以外の方

3つのパターンに分けてご説明いたします。

a. 以前は日本国籍であったが、日本国籍を離脱した方

・日本人の配偶者の資格獲得

申請人のご両親の両方または片方の戸籍が日本の役所に残っている場合、ご両親の子供である(あった)ことがこの戸籍で証明できる場合には、その方の家族として、「日本人の配偶者」の在留申請をすることが可能です。ご両親がお二人とも亡くなっている場合は、戸籍は除籍となりますが、除籍という形で本籍地に残っていたら、この除籍を取り寄せて、在留申請できます。

*国籍離脱の定義については、こちらをご参照ください。

・帰化の申請

日本国籍を再び手に入れるためには、「帰化」の申請が必要です。在留許可申請と違って国籍法が準拠法となり、法務大臣の裁量によって、許可・不許可判断されます。帰化申請する為には20歳以上で、合法的に(在留許可をもって)5年間以上日本に住んでいること、素行善良、生計を立てられること、などの条件を満たすが必要です。

一旦国籍を離脱した方が国籍を日本に戻すために帰化申請することは可能ですが、国籍離脱の事由が、「住んでいた国、配偶者の事情によりそうするしかなかった」場合、つまり、その事由が「やむを得ない」場合に限り、国籍離脱者の帰化が認められることになります。やむを得ない事情で国籍離脱をした場合には、通常の帰化の要件が緩和され、日本在住5年を経ないでも申請は可能となります。日本からアメリカ籍に変更された場合、アメリカでは二重国籍が認められていて、自ら日本国籍を離脱必要性はありませんので、帰化が認められるためには、他のやむを得ない何らかの事情を必要とします。

なお、申請人の配偶者が日本人であった場合は帰化の条件が緩和されることがあります。後述する日本人の配偶者等の在留資格を取られた外国人の方が、在留後5年経ってから帰化の手続きをする場合には、この緩和条件が適用されることになります。永住申請をする場合にも、日本人である配偶者が保証人となって、申請することになります。

b. 元々外国籍である場合、配偶者が外国籍である場合

外国人が日本に長期住み続けたい場合には、 いずれかの在留資格を取得する必要があります。就労関係ですと、会社を設立してその経営者になる、または会社の役員クラスの地位の方のための「経営・管理」、日本の会社に就労する場合の「技術・人文知識・国際業務」などが一般的です。

なお、在留資格申請中に待ちきれなくて日本に短期滞在資格で入国してしまった場合には、「在留資格変更」の手続きで、短期滞在から該当の在留資格への変更手続きが可能です。が、現在では「やむを得ない事情」を書いた理由書を提出し、入管の審査官にその事由が認められない限り許可されなくなっている=短期滞在の機嫌が過ぎたら出国しなければならない、ので注意が必要です。

c. 配偶者のどちらかが日本国籍で、一方の配偶者やお子様が外国籍である場合-

配偶者やお子様は「日本人の配偶者等」という身分系の在留申請をすることが可能です。この在留資格が取得できると、就労の活動に制限はありませんので、どんな仕事に就くことも(つかないことも)可能です。

  • まとめ

在留資格や帰化・永住申請は、複雑でわかりにくいものです。また、日本人では足りない労働力を外国人に求めるため、最近入管法が改正され、手続きが複雑化、要件の厳格化が進み、以前は通った申請が拒絶されることも多くなっております。

在留資格については、申請取次の資格を持つ行政書士に相談されることをお勧めいたします。

 

  1. 住居確保後の手続き

・住民票、印鑑証明書、マイナンバーカード

日本で住居を定めたら、所轄の市区役所で住民届けを出します。住民になれば実印登録が可能で、印鑑証明書が取れるようになります。実印は原則本人しか持っていないということで、日本では印鑑証明書が多くの場面で本人確認の証明書となります。登録をお勧めします。

また、市区町村の役所で、マイナンバーカードの取得もしておいた方がいいです。 日本では、口座の開設、または身分証明にマイナンバーが必須となっていますし、運転免許証などのIDの代わりや、コンビニで住民票や印鑑証明書が取れるので、マイナンバーカードを持っていると便利です。

保険や老齢年金などの手続きは、社会保険労務士の業務ですので、割愛させていただきますが、手続きしてくださる社労士さんのご紹介は可能です。