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3つの勘違い

在留申請をして1ヶ月とちょっと、やっと顧客の在留カードが出来た(=更新の許可が取れた)というお知らせが郵便ポストに入っていたので、ホッと一息。大丈夫だとは思っていたが、就労申請の要件にはまるか微妙なケースだったし、開示の許可もらってないので言えないが、取れなかったら今申請人が一般人に対してやっている資格外の活動も同時にできなくるため、多くの人に迷惑にかかる、よって絶対に資格を取らねばならないケースであった。だから先月はポストを覗いては通知が来てないのを確認しては鬱々する毎日であった。

私のところにくる在留申請の依頼は、他の行政書士で取れなかったからなんとかして、とか、日本語がほぼできないから全部英語でやりとりとか、それ以外も含めて誰でもできるような案件は来ない。他の仕事に優先して大急ぎで申請せねばならなかったり、理由書を書いたり、説得材料のため膨大な資料を準備したりというような手間がかかるものばかり。よって許可証や通知ハガキを郵便ポストで発見するまで、許可の有無に神経を尖らせ、それはかなりのストレスである。顧客の大半は欧米人(一度南アメリカ共和国在住の白人から直接依頼が来たことあったが、これも困難案件だった)なので、申請が通らなかった場合でも日本にずっといたいという人はあんまり居なくて、取れなかった場合の危機感は大したことないのかもしれないけど、誰か、もうちょっと楽な申請を依頼してくれないだろうかといつも思っている。

話がずれてしまったが、今回は在留申請の依頼をいただくときによく勘違いされている3つのポイントを書きたい。関連するリンクも貼っておいた。

1. 在留申請とビザ申請

最初に連絡が来る時にはほぼ100%、「ビザについてのご相談をしたい」と言われる。他の士業からのご紹介でも「顧客のビザの相談にのってもらえますか」と聞かれる。でも、ビザのご相談ではなく、実際には在留許可申請のご相談である。

日本の場合、ビザは日本に入国するためのもので外務省管轄、在留許可は、中長期日本に滞在するためのものであって法務省管轄である。他の国で日本と同じように、ビザと在留申請を分けている国もあるが、アメリカは申請先は異なるが、短期も中長期も全てビザであり、滞在期間や目的に応じてそのビザの種類が変わるだけ。勘違いの原因は多分ビザという一言で済んでしまう国の方が多いからだと思う。

コロナ前は、68カ国とのVisa Waiver Programにより、相互にビザなしでの入国を認めた国から日本に入国する場合は、ビザなしで3ヶ月までの滞在が可能だったが、今(2022年6月現在)はコロナ対応のため、入国に際してはどの国からの入国も現地の大使館・領事館でビザ申請をして許可をもらう必要があるし、ビザ申請の前提となる厚労省の水際対策用の受け入れ担当者による申請・受付証(ERFS)が必要になるので、こちらの問い合わせもあるにはある。

そうは言っても、在留申請の代行は行政書士または弁護士で申請取次の資格をもつものしかできないので、問い合わせが来るのは大体こっちの方。行政書士になってからずっとこのビザと在留申請の違いを色々な場面で説明してきたが、かなりの無駄骨。そもそも資格を持つ行政書士自体が在留申請をビザと呼んでしまっており、ホームページや宣伝広告にもそうやって書いてきていることの功罪って大きいと思う。ちなみに語学堪能な行政書士ってあんまりいないので、ビザの相談って言われてもうまく英語その他の顧客の母国語で説明できなくてそのまま進めてる気もするが、法律の専門家だったら根拠法が違うんだし、法的な間違いは修正したほうがいいと思うんですけどね。

2. 会社設立と経営・管理の在留申請

会社を設立する外国人で日本での就任・ビジネス活動が必要な人や、経営・管理の資格をとって日本に滞在したい人が日本で会社を設立しようとする場合によく聞かれるのが、「会社設立には資本金最低500万円が必要なのか?」。外国人が日本で会社設立する場合に、外国人だけに高いハードル=参入障壁があったのは昔の話。今は、外国人が代表取締役、日本人を雇用しないで、1円でも会社設立は可能。ただし、会社を根拠に経営・管理の在留申請をしようとすれば、それに申請の要件が加わって、資本金500万円が必要になってくる。この金額は、その外国人が例えば1年間の在留期間中に日本で滞りなく会社経営しながら過ごすには必要な金額であろう。真面目に会社を運営するためのスペースを持って、その家賃も払えるというのが許可だとすると、就労申請の場合に必要な月20万円位の収入と同レベルの毎月の収入、家賃支払い、会社の経費などを考えれば、資本金が最低でも500万円くらいはないと1年の期間、会社を回していけないはず。500万円は経営・管理で在留申請するには会社が最低限は用意しないといけない準備金だと考えれば道理が通っている金額だと思う。

また、今回立て続けに違う顧客から聞かれたのが、「二人分(または二人目)の経営・管理の在留資格を得るためには、資本金を1,000万円にすれば良いのか」という質問。なんでこんな間違った知識が出回ってるのか謎である。500万円が経営・管理の在留資格の要件だっとしても、その2倍の1,000万円にしたからと言って二人の在留が取れるという話にはならない。基本的には、会社で経営の責任全てを負うのは通常一人であって、できてまもない小さい会社とか、特に従業員もいない場合、二人も経営・管理をする人が本当に必要か、一人で十分ではないか、と判断されることが多いからである。もちろん、会社がそれなりの雇用者や組織を持っている場合や、二人の役割が分かれていて、その二人がいないと会社が回らない、という根拠が示せるなら、取れないことはない。また、資本金1,000万円にしたら与信や融資には有利に働くかもしれない。ただ二人が会社で経営・管理するという根拠を示すために膨大な資料を準備して取れないかもしれないリスクを取るよりは、もう一人は就労や企業内転勤など別の資格取得を考える方が早道ではないか、と個人的には思っている。

3. 在留申請、相続、契約書作成その他の法律相談は、まず行政書士に

前述とかぶるが、「資本金1,000万円で経営・管理の資格を二人分取りたい」「会社の資本金を1,000万円に増資したい」という問い合わせは他の士業からきたもので、よく話を聞いてみると、本当の問い合わせはどうやって在留申請取ればいいか、というものであった。在留申請については、自分でストーリーを考える前に、まず申請取次の資格を持つ行政書士に相談してほしい。又在留資格だけでなく、紛争になってない法律相談(紛争は弁護士さんに)は、総合的なコンサルティングができる行政書士(資格だけとって実務はあまりやっていない人ではなく)にまず相談をした方が良いと思う。人にもよるのだが、空き家や相続業務を別の士業(どの士業かは言わないけど)に相談すると、信託も含め(信託の契約書は行政書士しか作れないはずなのだが、なんだかグレーゾーンで個人的には不満)どうしても登記という自分の業務に結びつけた結論に持っていかれ、最善の方法ではなかったり、間違った解決方法を取られる危険がある。私もそれを目の当たりにしたし、他の同業者からも同じ話を聞いている。手慣れた行政書士だと、会社設立(登記は司法書士)、許認可、契約書関連、会社の事業継続から相続の相談までのることが可能なので、幅広い手伝いができるし、一度で3度以上美味しいはず(古い)。

3については、また別の機会に詳細書きたいと思っている。

 

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