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遺留分 – 英米と日本の違い

信託のことを英米のTrustsと比較するとき考えなければならないのは、1. 家族信託を商事信託の違いについての理解の違い、2. 遺留分という独特の制度が日本にあること、だと思う。

1. 家族信託、商事信託

信託の起源はイギリスにあると言われ、自分のもつ財産を信頼できる人(受託者)に託して、自分が死んだ時に誰に分配したらいいか(受益者)をあらかじめ決めておいたもの。人を信じて託す私的な契約である。だから、英米で信託と言えば、プライベートな契約のことを指すのが普通である。日本でも、似たような考え方は昔からあったらしいが、不特定多数の受益者に対して、利益を分配する商事信託の方が一般的かつ知名度が高い。商事信託は免許・許可をもつ信託銀行などがこれを行い、銀行などの信託における目的は、資産運用とその運用から生まれる利益の一部を銀行が手数料として取得することである。家族信託における委託者の多々ある義務のうちの一つ、資産を効率よく、かつ慎重に運用する、に近いと言えば近い。でも、委託者は委託手数料をもらうことはあっても、その運用の金額により手数料が変わるようなシステムではないので、委託の内容が違う。信託銀行・銀行の遺言や信託に関するテレビコマーシャルをみるたびに、商事信託と家族信託が見た人の意識の中で混同され、本当の家族信託の必要性がどこかにいってしまう気がして残念である。

2. 遺留分

英米では、生前に信託契約を締結しておけば、その契約にある通りに、財産が分配されたり、移転したりする。信託された財産は、相続財産とはみなされないので、法定相続分と違っていても、その契約通りに分配、移転が可能である。一方日本では、遺留分という強硬法規があるので、兄弟姉妹以外の親族は、法定相続分の1/2の主張が、信託財産についても可能である。信託契約の分配・移転に不満をもつ親族から遺留分減殺請求権を行使され、遺留分が信託財産から引かれることになれば、いくら生前に信託契約をし、財産の登記を行なったとしても、思いとは違う分配がなされる可能性がある。この日本に独特な制度は、家督制度時代の旧民法から存在し、家の財産が分散するのを防ぎ、相続人に必要最低限の財産を分配するために残されたという話であるが、現日本には家制度もなく、財産が散逸したからといって、それに国が異を唱える必要もなく、被相続人の意思を尊重するよう、条文を見直しされてもいいのではないだろうか?

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